メニュー

息切れについて

息切れとは「呼吸が苦しい」「空気が少ない感じがする」といった感覚を覚える症状のことです。
患者さんの表現として多いのが、「息が詰まる」「息が上がる」「呼吸が浅い」「吸い込むのが難しい」「窒息感がある」「呼吸がはやい」「胸が苦しい」「吐く息が長くなる」などさまざまです。
息切れは、体が酸素を必要としている時や、何らかの原因で酸素供給が不足している時、体内の二酸化炭素濃度が上昇している時などに現れます。
何らかの疾患が原因の場合は、肺や気道などの呼吸器系、心臓、筋肉、あるいは他の疾患に関連することが多いです。
たとえば、喘息のような気道狭窄、心不全による循環不全、あるいは貧血による酸素不足が息切れの原因として考えられます。

速足になった時や、階段や坂道を上がる時などに息が切れやすくなったと感じる方が多いでしょう。
一番多い理由は運動不足に伴う体力の低下や生活習慣に伴う体重増加などですが、やはり心臓疾患、呼吸器疾患、血液疾患などが隠れている可能性は否定できません。
息切れの症状でお悩みの方は一度、循環器内科や呼吸器内科などの専門外来受診をお勧めします。

息切れの原因について

①心臓疾患

弁膜症や心筋症、不整脈や冠動脈疾患を患った場合、心臓は循環動態を維持するためのポンプとしての役割を十分に担えなくなります。
その結果、全身への酸素供給が相対的に不足し、労作時の息切れや呼吸困難感などが生じます。
症状を改善させるためには原疾患の治療が重要であり、心不全加療も並行して行う必要があります。

ex. 心不全, 不整脈 (心房細動ex.), 弁膜症(僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症ex), 狭心症, 心内膜炎

②呼吸器疾患

気管支、肺を含む呼吸器系は酸素を取り込み二酸化炭素を排出する役割を担っています。
これらの臓器に障害が及ぶと、言わずもがな全身の酸素供給に悪影響を及ぼします。
代表的な疾患としては慢性閉塞性肺疾患 (COPD)や喘息、間質性肺炎などが挙げられます。
やはり喫煙による気管支狭窄や肺胞の破壊が原因となるケースが多いです。

ex. 慢性閉塞性肺疾患 (COPD)・肺気腫, 喘息, 間質性肺炎, 肺高血圧症, 肺塞栓血栓症, 肺癌

③貧血

貧血になると息切れの症状や立ちくらみといった貧血様症状が現れます。
貧血は、体内の赤血球やヘモグロビンの量が正常よりも低い状態を指します。
これらは酸素を肺から体の組織に運ぶ役割を担っています。
したがって貧血の場合、体内の酸素供給が減少しこれが息切れの原因となります。

ex. 過多月経, 消化管出血, 慢性疾患(慢性腎臓病、慢性炎症ex), ビタミンB12欠乏性貧血

④甲状腺疾患

甲状腺は体内の代謝を調節し、エネルギーの生産に関与しています。
甲状腺が過剰に活発または不活発になると、体内の代謝プロセスに影響を与えます。
これにより息切れの症状が生じる可能性があります。
例えば、甲状腺機能亢進症だと甲状腺が過剰に活発になり、基礎代謝率が上昇します。
体組織が必要とする酸素量が増加し、それを補うために心拍数は上昇しますが、血液供給不足を解消することができず息切れの症状が生じます。
甲状腺機能低下症だと甲状腺が不活発になり、代謝率が低下し体が酸素を適切に利用できなくなります。
この場合も、息切れが発生する可能性があります。

ex. 甲状腺機能亢進症, 甲状腺機能低下症

⑤神経・筋疾患

神経や筋肉に関連する疾患は、筋肉の制御や動作に影響を及ぼすことがあり、呼吸にも影響を与える可能性があります。
神経と筋肉の伝達回路に異常が生じると、呼吸筋を正常に動かすことが難しくなり呼吸筋の弱体化や嚥下障害が生じます。
その結果、息切れの症状が起こります。

ex.筋ジストロフィー, 重症筋無力症, 筋萎縮性側索硬化症(ALS)

⑥その他

精神的疾患などでも息切れの症状がでることがあります。
その場合、体内の酸素供給に直接的に影響を及ぼす訳ではありません。
精神的な要因で心拍数上昇や呼吸回数の増加が生じることで、呼吸が浅くなるような感覚を覚える方が多いです。

ex.パニック障害, 不安神経症, 適応障害, うつ病

息切れの診断(検査)

心電図

狭心症などの虚血性心疾患の場合、ST-T変化などの心電図波形の異常が指摘されます。
特に労作時の息切れを訴えた場合、まずは心疾患を除外および同定する目的で心電図を撮られることが多いです。

血液検査

血液検査は、貧血を含めた息切れを引き起こし得る疾患に対して有効な検査となります。
心疾患、貧血、炎症性疾患、甲状腺疾患などほとんどの疾患で採血にて異常が指摘されます。

画像検査

胸部レントゲンで肺疾患を同定することが可能性です。
また、胸部CT検査を行うことでさらに正確に異常所見を見つけ出すことが可能となります。
肺血管病変の同定には造影剤を使用することで、さらに精密な病変の描出が可能となります。

肺機能検査

スパイロメトリーを用いた呼吸機能検査によって、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、喘息、間質性肺疾患などを診断するのに役立ちます。
スパイロメトリーで評価される主要項目として、%肺活量(%VC)と1秒率(FEV1.0%)があります。%
VCが80%以上でかつFEV1.0%が70%以上の場合、正常機能とされます。

経胸壁エコー(心エコー)

心臓の超音波検査で、心不全や弁膜症などの診断に非常に有効な検査となります。
また甲状腺疾患を疑う場合は、甲状腺エコーが有効です。

病気によって、疾患の同定に有効な検査は変わります。
診察の中で、ある程度鑑別診断を行いつつ、必要となる検査を決めていきます。

息切れの治療

原因となる疾患によって有効な治療法は変わってきます。

診察費用

当院はすべて保険診療です。
診察費用は薬代を除き、およそ下記のようになっております(3割負担)

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME