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多尿・口渇感について

尿が多い(多尿、頻尿)

多尿とは、1日の尿量が著しく増えた状態 (2500-3000mL以上) をいいます。厳密には24時間尿量が40mL/kg体重以上の場合と定義されます。健常成人の尿量は約1000mL~1500mL/日です。尿量が増加すると、尿の回数が増えます。8~10回/日以上、夜間2回以上トイレに起きる状態を頻尿といいます。

腎臓は血液中の老廃物をろ過し、尿として排出する役割を担っているため、多尿は腎臓自体に問題がある場合もありますが、それ以外が問題のこともあります。

多尿は膀胱や尿道に問題がなくても、水分の多量摂取、糖尿病、尿崩症などの内分泌疾患、ミネラルの異常(高カルシウム血症、低カリウム血症)、利尿剤などの薬剤による尿量の増加が原因となる場合があります。頻尿は前立腺肥大や過活動性膀胱などが原因となることが多いです。

過活動性膀胱

過活動性膀胱は尿意切迫感(急に起こる、我慢できないような強い尿意)が必須の症状です。膀胱に尿が十分にたまっていないのにも関わらず、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮し、頻尿となります。過活動性膀胱は神経が原因で起きるものと神経とは関係なく起きるものがあります。神経が原因となるのは脳卒中や脳梗塞などの脳血管障害、パーキンソン病などの脳の障害、脊髄損傷や多発性硬化症などの脊髄の障害に伴う後遺症などが原因となります。神経以外の原因としては、加齢や女性の場合は出産によって骨盤底筋群の筋力低下などが原因で起きます。

前立腺肥大症

前立腺肥大症は年齢とともに前立腺が大きくなることで、尿道を圧迫して尿が出にくくなる病気のことです。問診(国際前立腺症状スコア)や超音波検査、直腸診、尿流量測定などを行います。主に泌尿器科で検査されます。

多尿の原因疾患について

多尿をきたす疾患としては、尿の濃さに注目して原因を考えていきます。
濃い尿(高張尿)で尿糖が出ていれば、糖尿病の可能性を考えます。尿糖がない場合、マンニトールやナトリウム入りの輸液による原因を考えます。

薄い尿(低張尿)の場合、低カリウム血症、高カルシウム血症などのミネラルバランスの異常によるものや、血圧や水分の調節に関わるホルモンであるバソプレシンの分泌不全(中枢性尿崩症)や作用不全による(腎性尿崩症)もの、水の再吸収を行う腎臓の尿細管の障害によるものなどが考えられます。

また心因的要因やストレスなどにより飲水量が増え、多尿になることもあります。

まずは利尿薬などの服用がないかを確認し、頻尿、夜間頻尿、尿失禁などがある場合は排尿記録などをつけることも有効です。

血液検査や尿検査で原因検索を行い、腎臓病が原因の場合は、腹部超音波なども有効であり、腎臓の形、大きさなどから腎臓の状態を確認します。

口渇

糖尿病では、生成された尿中に排泄される糖の濃度が高くなると、浸透圧利尿により水分を過剰に排泄してしまうため、脱水症状を引き起こします。

口渇の原因は他にも、発熱・発汗、嘔吐・下痢(体内の水分が減ってしまう)、尿崩症(抗利尿ホルモンの分泌が低下して、多尿となり脱水を引き起こす)、甲状腺機能亢進症(発汗が増えるため)、浮腫、心不全(血管外に水分が貯留し、血管内の水分が減ること脱水状態となる)、利尿剤などの薬剤の副作用、シェーグレン症候群(唾液腺の障害)、心因性、加齢などが原因として上がります。

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