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75gOGTT検査

75gOGTTはグルコース経口投与後の血糖を評価する試験であり、体内でのグルコース処理能を反映します。軽度の糖代謝異常の有無を調べるのに有効です。

150g以上の糖質を含む食事を3日間以上摂取したのちに、10-14時間絶食後の朝空腹時に75gのグルコース250-350mlの溶液(トレーランG)として5分以内で経口負荷し、経時的に血糖値を測定します。
飲み始めから、30分後、1時間後、2時間後に採血し、各々の血糖値を30分値、1時間値、2時間値とします。検査中は水以外の摂取は禁止、可能なかぎり安静とし、運動や喫煙は控えます。

消化管運動に影響しうる上部消化管造影X線検査や内視鏡検査後には行いません。

①正常型

空腹時血糖110mg/dl未満でかつ75gOGTT 2時間値が140mg/dl未満のものであり、糖尿病発症リスクは低いです。このうち、空腹時血糖が100mg/dl以上のもの、および75gOGTT 1時間値が180mg/dl以上のものは糖尿病型への移行リスクが高く経過観察が望まれます。

②境界型

糖尿病型にも正常型にも属さないものです。このうちWHO分類では75gOGTT2時間値140mg/dl未満で空腹時血糖が110-125mg/dlのものを空腹時血糖異常(impaired fasting glucose:IFG)、空腹時血糖値が126mg/dl未満で75gOGTT 2時間値が140-199mg/dl未満のものを耐糖能障害(impaired glucose tolerance: IGT)と呼びます。前者は糖尿病発症リスク、後者は心血管疾患発症リスクが高いとされます。

③糖尿病型

空腹時血糖126mg/dl以上、もしくは75gOGTT2時間値が200mg/dl以上のいずれかを満たすものであり、網膜症の発症リスクや国際的整合成の観点から設定されています。
75gOGTTの実施時に血糖と同時に血中インスリン濃度を測定し、初期インスリン分泌能の指標であるインスリン分泌指数の算出やインスリン分泌パターンを見ることは糖尿病の発症リスクや病態の評価に有用です。

なお、75gOGTTの実施が推奨されるのは、糖尿病の疑いが否定できない場合や糖尿病や動脈硬化リスクが高い場合です。一方、自覚症状などから明らかな高血糖が推測される場合は、糖尿病の診断に75gOGTTは必要なく、空腹時血糖や随時血糖を測定し判断します。
著明な高血糖時に75gOGTTを行うと、急激かつ著名な高血糖やケトーシスの増悪をきたし危険でるため施行しません。

糖尿病の診断基準はHbA1c 6.5%以上とされており、これは、空腹時血糖126mg/dl以上および、75gOGTT 2時間値200mg/dl以上に相当し、疫学研究より糖尿病性網膜症の発症が有意に増加するなどのエビデンスに基づいています。一方HbA1c値は糖尿病型では幅広く分布することや、高血糖以外に赤血球寿命などの影響を受けることから、HbA1c単独では糖尿病の診断はできず、必ず血糖値の確認が必要となります。

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