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“最近、疲れやすい”について

易疲労感とは通常よりも疲れやすい状態をいいます。今までは何ともなかった階段の上り下りなどで、以前よりも疲れやすいといった感じがあればそれに当たります。

季節の変わり目や気候の変化、ストレス、過労、寝不足などでそのように感じることが誰しもあるかと思います。易疲労感の原因を"自律神経の乱れ"といったような表現をされる患者さんもお見掛けします。

しかし、その疲れやすさの原因が病気に伴うものの可能性も否定はできず、診察および検査してみないと分かりません。特に心臓病などの循環動態に影響を及ぼし得る病気に罹患した場合、顕著にその兆候が見られます。

心臓弁膜症や不整脈、狭心症などの心疾患を患った場合、疲れやすい, むくみやすいといった誰しもが経験し得る一般的な症状から出始めます。
これは心臓が血液を全身に送るポンプとしての役割を十分に果たせないのが原因で、酸素供給が追いつかないために生じます。

心臓弁膜症

心臓には4つの弁(大動脈弁・僧帽弁・三尖弁・肺動脈弁)があり、これらの弁は血液の流れを調節し逆流を防ぐ役割を果たしています。
心臓弁膜症はこれらの弁膜の構造的な変化や器質的異常によって引き起こされます。
よくある症状としては、疲れやすさやむくみ、めまいや動悸症状を訴える患者さんもいます。
無症状で、健康診断などで心雑音を指摘されはじめて発見される場合もあります。
弁膜症がひどくなると心不全の症状に伴う呼吸困難感を認めます。

不整脈

不整脈は、心臓の鼓動やリズムが正常でない状態を指します。
通常、健康な心臓は一定のリズムで収縮し、血液を体中に送り出す役割を果たします。
不整脈を発症するとこのリズムが乱れ、血液をうまく送り出せなくなります。
その結果、動悸や息切れ、易疲労感といった症状がでてきます。
代表的なものとしては、期外収縮や心房細動、上室性頻拍などがあります。

狭心症

心臓は1日約10万回も拍動していますが、動くために必要な酸素供給は心筋周囲を走行している冠動脈という血管が担っています。
動脈硬化などが原因で、その冠動脈に狭窄や閉塞が生じると、狭心痛と呼ばれる胸痛や胸部圧迫感、易疲労感などの症状が出てきます。
狭心症の初期は労作時に息切れや胸部症状がでる労作性狭心症、ひどくなると安静時にも数分の胸部症状がでる不安定狭心症、最終的には急性冠症候群(心筋梗塞)と増悪していきます。

心臓疾患以外にも、疲れやすさの原因となる病気はたくさんあります。
呼吸器疾患、甲状腺疾患などのホルモン異常、消化器疾患、神経・筋疾患、貧血などの血液疾患、自律神経失調症などあらゆる病気で易疲労感はでる可能性があるため、症状が続く場合はお近くの医療機関に一度相談されることをお勧めします。

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