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失神 (気絶)について

失神とは突然起こる一過性(数分、多くは1分以内)の意識消失を指します。
一過性とはいえ、短時間でも脳に機能障害が起きたことが要因となるため、原因を調べて適切な加療が必要となります。
もっとも多い理由としては、自律神経障害に伴う神経調節性失神(状況失神)ですが、不整脈や一過性脳虚血、てんかんなどの早期の治療介入が必要となる病気が原因の場合もあるため、放っておかず医師の診察を受けることを強くお勧めします。

失神(気絶)・意識消失の原因について

①神経調節性失神

神経調節性失神とは、咳嗽や嚥下、排尿・排便、食後などの特定の状況(日常動作)で誘発される失神のことを指します。
学校の朝礼で同一姿勢の長時間立位で気を失う生徒がいるのも、これにあたるケースが多いです。
特定の動作が原因で迷走神経反射が起こり、一過性の血圧低下および徐脈が生じた結果、脳血流が低下し失神に至ります。
確定診断のためHead up Tilt試験という検査を行う場合がありますが、意識消失発作の状況から診断されることもあります。

②不整脈

不整脈とは、心臓のリズムが一過性に崩れ、心臓の異常な収縮が生じることです。
特に徐脈性不整脈(Bradycardias)は心拍数が遅くなることを特徴とし、その結果として脳血流が一過性に低下し失神(気絶)に至ります。
意識消失発作を引き起こすような徐脈性不整脈には洞性徐脈(Sinus Bradycardia)、房室ブロック(Atrioventricular Block)、徐脈頻脈症候群などが含まれます。
薬の副作用や電解質異常などで発症している二次性の場合、その治療を行いますが、特発性であればペースメーカー植込み術の適応となります。

③脳障害

一過性脳虚血(脳梗塞の前触れ)やてんかん発作など、脳神経の障害で意識消失を来す場合があります。
一過性脳虚血の場合は、首(頚動脈)や脳にいく血管が動脈硬化や血栓などで狭窄し、脳血流量が低下し失神に至ります。
てんかん発作の場合は、脳波異常などが見られます。
専門医の診察、治療が必要となるため、疑わしい場合は脳神経外科/内科の受診をお勧めします。

④その他

低血糖や低血圧、貧血などでも失神することがあります。
これらの場合、血糖値や血圧の測定、採血を行うことで原因の特定を行えます。
治療もそれぞれの病状に合わせて行います。

失神(気絶)・意識消失の治療について

①神経調節性失神

決め手となる治療法が確立されているわけではありませんが、行動療法や漢方を含めた薬物療法により症状改善を認めることがあります。
塩酸ミドドリンなどのα交感神経刺激薬や補中益気湯などの処方がされることが多いです。

②不整脈

不整脈に伴い意識消失を認めた場合、薬の副作用や電解質異常などが不整脈の原因なのであれば、その治療を行いますが、不整脈が特発性のものなのであればペースメーカー植込み術の適応となります。

③脳障害

一過性脳虚血など、動脈の狭窄に伴い意識消失を認める場合は、カテーテル治療などで狭窄部位の拡張やステント留置を行います。
てんかん発作ではバルプロ酸ナトリウムなどの内服加療が一般的です。

当院では失神(気絶), 意識消失の原因を調べる検査を行えます。
診察の上で採血、ホルター心電図、心臓エコー/頚動脈エコーなどの診断に必要な検査を行います。

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