糖尿病の食事療法について
糖尿病治療の柱は3つ、食事療法・運動療法・薬物療法です。
ただし基本は食事療法です。どのような治療をおこなっても、食事療法がきちんとできていないとあまり効果がありません。
食事療法の注意点
⑴食事の時間は規則正しく
朝昼晩と規則正しくたべて間食を避けることが重要です。
朝、昼などをまとめて摂取し、1日2回食になると膵臓に負担となり、糖尿病が悪化することがあります。
⑵ゆっくりよく噛んで、腹8分目
ゆっくりよく噛んで摂取することで満腹感が得られ、過食を防ぎ、食後の急激な高血糖を抑えることができます。
⑶食品の種類はできるだけ多く、バランスよく
できるだけ多い品数で栄養素が偏らないようにしましょう。
⑷脂質と塩分は控えめに
脂質が多いと脂質異常症となり、動脈硬化が進行するおそれがあります。
塩分が多いと高血圧の原因となります。
⑸食物繊維をとる
野菜、海藻、きのこ類など食物繊維を多く含むものは食後の高血糖を抑えてくれます。
⑹外食するとき
塩分に気を付けて、味の薄いものを選ぶ
丼ものなどの単品メニューではなく、定食など品数の多いものを選ぶ
食事療法の基本
自分に合ったエネルギー量(カロリー)のなかで栄養バランスの良い食事をとることが重要
① 身長をもとに標準体重を計算する。
適切なエネルギー量 | 身長(m)×身長(m)×22 |
② 標準体重に一定のエネルギー量を掛ける
軽い労作(大部分が座位) | 25~30kcal |
普通の労作(通勤、家事、軽い運動を含む) | 30~35kcal |
重い労作(力仕事、活発な運動集患) | 35kcal~ |
たとえば、身長160cmの普通の労作であれば
1.6×1.6×22=56.3(標準体重は56.3kg)
56.3×25~30=1400~1690kcal
1日で摂取すべきエネルギー量は1400~1690kcalとなります。
良い栄養バランスの目安
主食(ごはん、パン、麺類)などは主に炭水化物の食品
摂取エネルギー量の40~60%
おかず(肉、魚)などタンパク質の食品
摂取エネルギーの20%まで
脂質
摂取エネルギーの20~30%